カウンター ヒルト用の溝切り|製作中|のんびり趣味のナイフメイキング 忍者ブログ

のんびり趣味のナイフメイキング

たまにしかしていないナイフメイキングの備忘録として、 次回製作の参考のために記録していきます。 ※過去の記事内容は随時、追加・訂正等をしますが悪しからず。 また、不精者につき管理が不十分なので、コメントは見落としてしまう場合があります・・・

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ヒルト用の溝切り

フライスを持っていませんので、金ノコ・ヤスリで
ヒルトの噛み合う溝をきります。

まず、ヒルトの罫描き線に合わせ、べベルストッパーをとりつけます。
そして、もう一つのべベルストッパーをヒルトの幅でとりつけます。
この時、2つのべベルストッパーの間にヒルト材を挟みこむと
正確にセットできます。しっかりとズレないようにセットします。

この状態でヒルトの底面まで金ノコをべベルストッパーにあてながら
切り込みを入れます。
両側に切り込みを入れたら、余った中ほどは適当に切り込みを入れます。
金ノコで切れない余った部分をヤスリで落とし、溝の底面を仕上げます。

※この状態で仕上げていくことも可能です。
 普通のベベルストップを2つお持ちの方なら、この状態で仕上げます。
 この状態で仕上げる場合、途中でのサイズ確認がしづらいので、
 どちらかのベベルストップに位置決め用にブロックなどを当てて
 バイスグリップやCクランプなどでズレないように固定し、
 サイズ確認後のベベルストップ再固定の「当て」にします。

次に、「ナイフ工房やすなが」さんの溝切りガイド付きの
べベルストッパーを溝に合わせセットしますが、ノックピンが
付いていないので、溝切りガイドの表裏の平行を出すために
ノックピンの付いたべベルストッパーを当てて基準にします。
セットできたらヤスリで溝の横面を仕上げていきます。


途中、削った溝のサイズを確認するために溝切りガイドを
外してヒルト材を入れてみます。
画像の様に基準のべベルストッパーが付いたままなので、
溝切りガイドを再びセットするのも楽です。

 キツいほど仕上がりはきれいになりますが、ボンドを塗って組み込むときに難儀します。
最も仕上がりがきれいに出来るのは、けっこうキツめに溝を切って仕上げてから、
ヒルトの幅(厚み)のほうを研磨して寸法を合わせる方法でしょうか。

ただし、キツいようでも底に向かってわずかにテーパー状になっている場合が多いので、
光にかざしてクリアランスの確認をすると良いと思います。



あとはエッジラインなどを罫描けばブランクの完成です。

~おまけ~
フライスでの切削加工について、ナイフメイキングで使用するくらいの
負荷ではあまり関係の無い話かもしれませんが、溝加工について。

フライスの溝加工においてはエンドミルを使用しますが、
切れ刃が磨耗したり、深い溝ほど主軸や工具が微妙にたわんで
ごくわずかに溝の側面がテーパー状になる場合があります。
これを防ぐには“アップカット”で寸法出しをして“ダウンカット”で
面を仕上げると正確で面のきれいな溝が出来ます。

「アップカット」とはエンドミル進行方向に対して被削材を左に当てる削り方。
刃の回転方向と材料の動く方向が向かい合うため、材料に刃が食い込み
刃先が逃げにくいのですが、送り速度が早すぎると径の小さいエンドミルだと
削れ過ぎる場合があります。
また、切削抵抗が大きくなるので工具や主軸に負荷が掛かるため、
寸法だしの仕上げ一歩前の段階ですると良いと思います。


対して「ダウンカット」は切削抵抗が少なく、機械や工具の負荷も軽いため
ほとんどの場合で主に使う削り方です。
刃の回転方向と材料の動きが同じ向きのため、切り子の排出がよく
面の仕上がりも良いですが、回転数や送り速度により、切り子が噛みこんで
仕上がりが悪くなる場合があります。
この場合は切り込み量を減らしたり、送り速度をやや速めたり、工具の
回転数を少し落とすなど、切削条件を変更すると良いでしょう。

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