カウンター カイデックス ポーチシース|メイキング|のんびり趣味のナイフメイキング 忍者ブログ

のんびり趣味のナイフメイキング

たまにしかしていないナイフメイキングの備忘録として、 次回製作の参考のために記録していきます。 ※過去の記事内容は随時、追加・訂正等をしますが悪しからず。 また、不精者につき管理が不十分なので、コメントは見落としてしまう場合があります・・・

カイデックス ポーチシース

カイデックスでのポーチシース設計・製作で注意することなどについて。
※レザーでのポーチシースを設計・製作できる前提として記事をすすめます。

 

このカイデックスシースの構造はレザーのポーチシースを参考にして、
ナカゴとブレードを左右から挟み込むライナー2枚を使ったものです。

欠点としては本体とライナーの間にブレードが入る場合があること。
本体とライナーの間に入った場合、途中で止まるので入れ直せば良いのですが・・・
成形が上手くできれば、外れて入ることはあまりありません。

※ベルトループの先端を留める位置にこだわらず、本体サイドのボルトと
共締めにすれば、ナカゴを厚手の1枚にしてもっとシンプルなものにできます。
そのほうがヒートガンでの加熱成形も楽にできます。
また、ベルトループの先端を留めないクリップタイプでも良いのですが、
折り返した部分は意外と強度が落ちているようなので(開くと簡単に折れる)、
やはりベルトループの先端は留めたほうが良いと思います。


カイデックスシースの組立には分解可能にするため製本用の組みボルトを使用します。
ナットが底面にツバ付きのスリーブ状になっています(長さも選べます)。

私はカイデックスは2mm厚のものを使用しています(ナカゴ・ライナーも同厚)。


設計について
本体の設計はレザーの場合と同じですが、すこし注意することがあります。


1.センターからナイフを離す距離
本体をヒートガンで暖めて折り返した時に、ナカゴの厚みとカイデックスの弾性を
考慮して少し大きめにしていないと折り返したときに寸法が足らなくなります。
また、熱した状態で無理に引っ張ると、止め穴が変形したり位置がずれてきます。

ですので、上の図の点線間の寸法は
「ブレード厚み + ライナー厚み×2枚 + カイデックス成形時の余裕」
これをセンターで振り分けて設計してゆきます。
 
上の画像のように少しは隙間ができますので、このぶんを考慮するということです。
ナカゴにピッタリと成形できれば寸法の余裕は要りませんが、カイデックスは
暖めて柔らかくしても素材のハリは残るのでカクカクには成形しづらいです。
また、カクカクに成形すると角の厚みが伸びて薄くなり、弱くなります。


2.ベルトループの長さ
ベルトループを止める先端が、ヒルトよりポイント側、ブレードの範囲にあること。
サイドのライナーと本体の間にベルトループを止めるボルトが入るため、
ヒルトより後方だとボルトが露出してヒルトやハンドルを傷つけます。

3.ナカゴの幅など
ナカゴの幅は止めるボルトの頭の大きさを考慮してきめます。
まず、穴あけの位置はナカゴのナイフ側のラインにボルトの頭の寸法の半分と
3mm程度くらいの余裕を足した位置が良いと思います。
その倍の寸法をナカゴの幅の仕上がり寸法とした形状をデザインします。
※材料の切り出しの際は最終での削り代等を考えて大きめに切り出します。



ナカゴの形状はレザーの場合と違い、ロックのことは考慮しません。
ヒルトがストレートに通るラインでデザインします。
 
そして、ナカゴ(とブレード)を左右から挟み込むライナーですが、



設計・デザイン時は上の図のようにブレードにピッタリの寸法にしますが、
制作時はブレードバックが少し見えるくらいに上側を削ります。
上の図のままの寸法で作るとカイデックス成形時の丸みでブレードバックと
本体に必要以上に隙間が出来てガタつきが多くなります。
※成型時の丸みを考慮してライナーの角を丸くしても良いかもしれません。



製作手順
・各パーツを切り出す。

・ナカゴに穴明け。



・穴あけしたナカゴの穴をガイドにして片側のライナーに穴明け。
ベルトループ側のサイドライナーには水抜き穴も開けておく。

穴をひとつ明けたら組みボルトを入れて固定し、次に最も遠い位置の穴を明けます。
それにも組みボルトを入れて固定すれば、その後の穴あけがずれません。


・穴あけしたライナーの穴をガイドにして反対側のライナーも穴あけ。

・本体ベルトループ側のみライナーを合わせて穴あけ(水抜き穴も)。

・ベルトループ先端に穴明け。

・ベルトループを暖めて折り返し成形し、穴をガイドにして本体側にも穴あけ。

・ベルトループを本体側からボルト止め(ボルト頭が外から見えるように)。



・ナカゴとライナーを仮組みし、ライナーを暖めてブレードを入れて成形する。

このときライナーのヒルトに接している部分を開き気味にすれば、
ブレードが本体との隙間に入り込むのをある程度防げます。


・ナカゴとライナーをナットのみを入れて本体へ仮組みします。
ただしベルトループ側の端の穴はこの時点でナカゴ側からナットを仕込み、
本体裏(完成時のベルトループ側)からボルトで止めておきます。

・本体を加熱して成形し、抜き差しのアクションを確認します。

・仮組みしたナットをひとつずつ外しながらその穴をガイドにして
本体の反対側(完成時の表側)へ穴あけ。

・ボルトナットを組み込み、ナカゴ側の外形を削って形状を整える。

・分解し、各部のバリ取りなどをしてから清掃し、組み立てて完成。
 
画像のようにナカゴを止めるボルトのうちヒルトから後ろは
本体ベルトループ側だけ留めます。
全部を留めるとナイフの抜き差しができません。

分解する際は、まずヒルトから前のボルトとナットを抜きます。
ヒルトから後ろは、組みボルトのボルト側のみを外して、
本体を少しだけ開けば、ナカゴ・ナットごとゴッソリ抜けます。
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